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橋本努講義「人文科学の基礎」2006年度前期

小レポートNo.2.

 

テーマ

「大学時代に追加で1000万円を自分に投資することができれば、

どのようにその資金を利用するか」

 

 

 

 

 

「大学時代に追加で1000万円を自分に投資することができれば、どのようにその資金を利用するか」

文学部

大野美紀

2006725日改定

 

 1000万円は大きな額だ。使おうと思えばおそらくすぐに使うこともできてしまう額だろうが、自分を磨くために効果的に使うのは、難しいことだ。私は大学生のうちに、英語力を身につけ、翻訳の道へ進めるようになりたいと思う。そして、国際交流を通じて、いろいろな文化を感じたい。また、自分自身の人間性を深めるためにも、自分の趣味についても労力を惜しまないようにしたいと思う。そうすることで、1000万円は有意義に使うことができるだろう。

私は英語に興味があり、英語について学ぶために大学に進学した。できれば将来は翻訳を生業としたいと考えているので、そのために必要なものを大学生のうちに身につけられるものは身につけたいと思う。英語の技術はもちろんであるが、それ以外にも必要となるものがある。英語の訳を豊かにするためには日本語の語彙力も必要であるし、英語圏の文化や当然日本の文化も知っておかなければならない。英語から日本語への変換だけでなく、日本語から英語への変換も当然翻訳の仕事であるので、多方面にわたる知識が要求される。語学力だけではなく、人間性なども翻訳の上では重要なので、大学生のうちになるべく多くのさまざまな経験をしたい。翻訳は受験英語で行った英文和訳とは違って、シチュエイションに応じた訳を付けなくてはならないので、訳者の裁量にかかってくるのだ。それらの基本的な知識や、技術などは、翻訳のレッスンに通うことでこつこつと覚えていきたい。まずはそのレッスンに費用を当てたいと思う。1ヵ月1万円の月謝を4年間支払うと、48万円になる。

そして、私は語学力や海外の文化、また人々について知るために、留学や海外旅行に1000万円の一部を充てたいと思う。留学先としては、カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・イギリスなどを考えている。ニュージーランドには高校時代のALTがいて、今もメールのやり取りをしているので是非行きたいと思う。彼女の住んでいる国を自分でもみて、体感したいからだ。また、知り合いがいればその文化に実際にいる、よき説明者がいるということなので、文化を知るうえではとてもいいことだと思う。英語圏の国へ行き、実際に英語を使えるならば国は基本的にはどこでもいいのだが、そういったことから、まずはニュージーランドに行きたいと思う。英語圏以外でも、色々な文化を知るということではヨーロッパの各地へ行きたい。私はお菓子を作ることや調べることにも興味があるので、地方菓子のようなものを食べたりする経験もしてみたい。その中で人とのつながりや、日本では到底体験できない何かを経験できたらと思う。

 また、もちろん日本のことについても今以上に深く知りたいと思う。大学に入ってから、小さな国のように思える日本にも色々な文化を持った地域がたくさんあるということを感じて驚きもあった。日本の歴史や文化について知っていないと、日本の文章を英語に訳すときに上手く伝わらない部分がでてきてしまう恐れがあるように思う。やはり、せっかくの母国のことなのだから知っておいて損することはないと思う。だから、私は国内でもいろいろなところへ実際に行き、そこの風景や暮らしに触れたいと思う。

 国内・国外を問わず、知らない人と出会い、一期一会の繰り返しを大切にするということ。旅の中でそんな数多くの一期一会に出会いたいと思う。いろいろなタイプの人間と、いろいろな関わり方をしていくのは大変なことかもしれないが、そこから学べるものは大きいと思う。これまでの自分はあまりそういった経験がないので、まだまだ浅い経験と薄い人間性しかもっていないように思えるのだ。

 そのほかに大学生のうちにしておきたいことは、打ち込める趣味を充実させることである。それは私の場合はお菓子作り、レース編みやピアノ等であり、これらを充実させることで他人とのコミュニケーションがとりやすくなり、自分の個性などが出てくると思う。自分にとって大切なものをしっかりと持っている人で、ある程度それを突き詰めている人は、そういうものが一切ない人間よりも良い点が多いように思える。なぜ趣味が大切かというと、趣味はその人間のある意味本質的な部分の凝縮を示していると思うからだ。あることが『好き』だという気持ちと、それに余暇を費やすという行為は、人によって全く別々の内容があるからこそその人をよく示すものになりうる。だから私は趣味を軽視したくはないのだ。

 そこで、せっかくなので私はお菓子の学校にも通いたいと思う。専門学校までとはいかなくて、主婦向けのものでもかまわない。夜間のコースもあるので、そういったものを活用できればと思う。大学と専門学校とで一時期進学を悩んだが、1000万円を自分に投資できるのならば是非チャレンジしたい。そういった専門的な場で趣味を突き詰めていくことで、趣味を通じて自分の行動範囲を広げられるのは良いことだと思う。ピアノなどの音楽も素晴らしいと思う。音楽は言語を超えたコミュニケーションの手段である。私はお菓子も、レース編みもそれに類するものだと思っている。また、概して趣味というものはそうである。しかし、音楽はそのもっとも秀でたもののひとつではあると思う。そしてそういったものは、大学を出てしまうと忙しさにかまけて手をつけなくなりがちだと思うので、大学生はその意味ではチャンスが多くあると思う。

 以上みてきたように、大学時代に追加で1000万円を自分に投資することができれば、私は留学・国内外への旅行・趣味の充実への投資をしたいと思う。そして、そうすることで自らの人間性を磨き、他者とのコミュニケーションの中から様々な文化を知り、将来に生かすことを望む。

 

 

 

 

レポート課題1:『大学時代に追加で1,000万円を自分に投資することができれば、どのようにその資金を利用するか』

沼尾倫子

2006/05/10

 

アイディア1

資金の利用について1,000万円の使い道を大学生活に関連させて考えるのならば、まずは1,000万円を学費に当てることが妥当であろうと思う。『入学虎の巻 2006年版』によれば自宅外生が入学時に必要な金額は1,606,170円であるらしいので、端数を切り捨てて、160万円とする。年間の授業料は、四年間変わらないと仮定すると54万円×四年で216万円である。ここまでで残った金額は624万円であるので、次は四年間の生活費を考えたいと思う。4月分の生活費を参考にすれば私の場合、一ヶ月分の金額は家賃等を含め7万円弱である。これが12カ月、四年間続くとするのなら合計で336万円となる。これで残りは288万円となった。考えたくもないが、一年留年したとしてもまだ余裕がある。今度は大学生なのだから勉学関係を考える。一・二年次には二十冊の岩波文庫を読むべきだそうなので、ここは見栄を張って四十冊、購入することにする。図書館で借りても読むことはできるが、より深く理解するのに何度でも読み返したり線を引いたりするためには、やはり自分で買ったほうがよいと思う。一冊の値段にはばらつきがあるが、500円から700円というのが主なので単純に一冊700円とするならば、四十冊では28,000円である。3万円としても285万円残った。さあどうしようか。

 

アイディア2

もうひとつの考えがある。現代社会ではコンピュータを扱える事が重要なスキルのひとつであることはほぼ事実であるので、教養としてパソコン技術を学ぶ、というものだ。ワードやエクセルといった基本的なものばかりではなく、プログラミングなどの知識と確かな技術を得るために、コンピュータの専門学校へと通うことが望ましいと思う。もちろん中心としているのは大学の勉強のほうであるので、自然にそれは夜間クラスになるだろう。専門職に就くことが目的ではないので、二年間コースなどの比較的短いもので十分である。授業料もろもろで多く見積もって年間300万円ほどかかるため、二年間で600万円となる。学費だけを考えるなら、先ほど述べた大学四年間の学費とで大体使い切ることになる。パソコンにこだわるのは私がうまく扱えないことに対するコンプレックスではあるが、それなりにいい案だとは思っている。コンピュータを使えないよりは使えるほうが良いに決まっている。

 

アイディア3

1,000万円には到底届かないが、わたしのほしいものを買っていく。フレンチホルンはヤマハで40万円。テレビを買うならどうせならプラズマがいい。相場がわからないのだが100万円として、大きい画面のものを買う。こんな風に少しづつ使っていけばいつかは使い切るのではないだろうか。

 

アイディア4

これまで具体的に1,000万円の使い道を考えてみたが、実際のところ、途方もない金額であり想像がつかない。おそらくは『大学生に相応しい教養水準』を考えるのであれば、高校時代にとらなかった科目の勉強でも自力ですればいいのかもしれないが、興味のなかったものを一人でやるのは難しいので、うまく学習はできないように思う。また、世界を知って見識を広げるという目的で海外に旅行に行くのは非常に効果のあることだとは思うが、しかし、それができるのは行動力のある一部の人間だけだとも思う。小心者(私)はせいぜい、本を読んで終わりとなってしまうだろう。そのためか、1,000万円は本を買って読むために使うと大学生らしい印象がある。教養としての読書はときにひどくつまらないものであるが。仮に1,000万円すべてを使って文庫本を買うのなら約14万冊、新書なら5,000冊ほど買うことができる。ただし実際にはそれほど大量の本は狭い家の中で所持できないし、大学生であるうちに読みきることも不可能であろう。(ちなみに上で残った285万円でならば、文庫ならさらに4,000冊購入できるがこれでも多すぎる)

 

まとめ

大学卒の人間は統計的に見ると、高校卒の人間よりも一生涯に得る所得が多いということであるが、それはあくまでも統計であるので、正直1,000万円を貯金しておいて、いざというときのためにとっておきたいぐらいだ。しかしそれでは資金を投資する意味がないので、私としてはかなり真剣に考えたつもりだ。とにかく、せっかく投資できるというなら、無駄には使いたくないのだ。ただ、何が有用な使い道で何が不要なのかといわれても実は即答できない。むしろ浪費と思われることにも後々に意味が現れるのではないのか、とすら思ってしまう。負け惜しみのような言い訳をするなら「結局何でも自分のためになるのだ」というところだろうか。結論としては、1,000万円分にはあるいは足りなくても、やはり本を買って読むというのが一番であると思う。手当たり次第に古典から新刊まで、果ては新聞や雑誌まで何についてでもとにかく吸収することだ。外に出て行動するのが苦手な人間としてはそうやって自分の知識や意見を深めていくのが、なんとか出来る範囲での教養のつけ方であると思うからだ。約1,000万円分の知性と教養が、社会に出たときに役立ってくれるはずだ。

 

 

 

 

「大学時代に追加で1,000万円を自分に投資することができれば、どのようにその資金を利用するか」

文学部 越谷 彩加 2006/05/07 提出

 

 私が大学時代に最もやりたいことは留学であるので、まず留学の費用として使うであろう。最初に留学する場所としては、イギリスが第一候補である。

イギリスに3ヶ月留学する場合、ひとつの例として、大学の入学申込金がだいたい420,000円かかり、英語コースの授業料が650,000円、滞在費(ホームステイ・個室)、食費(朝食・夕食)で500,000円、よって合計1,570,000円かかると予想することができる。よってこの時点で1,000万円の残りは8,430,000円となり、他にも飛行機代に約200,000円かかり、イギリスで生活する際に必要になってくるものの購入において100,000円ほどかかるとみて、残りは8,130,000円ほどになるであろう。

また、イギリスに留学した後、私は中国へ留学するであろう。

中国留学に必要な費用を詳細に調べると、ひとつの例として次のように考えることが出来るであろう。

まず、学校へ支払う費用として、学費・寮費・寮敷金・報名費・注册費・教材費・管理費・活動費・保険費等その他を含めた合計として394,925円ほど必要となる。 

次に渡航の際に必要な費用として、航空券・海外留学生保険・健康診断・中国査証取得料・空港出迎え・居留申請量に合計225,730円ほどかかる。

その他に現地でかかる生活費が327,200円だとすると、すべて合計すると947,885円となる。よって残りの金額は7,182,115円となる。

中国に留学した後は、インドに留学するであろう。

インドへの留学費は他の留学先よりも安価なので一年間の留学を考えるとして、授業料・教材費・(昼・夕)食、アパート滞在費・現地サポート料金・現地通学料金の合計で約1,800,000円程度である。

また、これらに含まれない費用が少なくても500,000円はかかるであろう。よって残金は4,882,115円ほどになるであろう。

そして私は今のところ将来作家になりたいので、そのためになると思われるような本を購入するのに残金を使い、さらにそれで自分が書いた本を大学時代に自費出版するであろう。1,000部を自費出版するのに1,007,500円ほどかかるので残りは3,870,000円ほどである。

これだけたくさんのことを試してもまだ3,870,000万円も余分に残っているので、この場合であれば大学を一年ほど休学して、たくさんの知識を身につけることを目標として、残金で行けるだけの国へ旅行にでかけるであろう。

また、これとは全く別の第二のプランとして、1,000万円を使ってさまざまなボランティア活動をするのもいいであろう。イギリスでのボランティア活動に、アフリカ、インドでのボランティア活動費用、実地で必要になる生活費、準備にかかる費用をあわせると500万円はかかるはずである。

そして、これらのボランティア活動を通して体験したさまざまなことを、一冊の本にまとめて自費出版するであろう。それでもまだ残金がある場合は、ヴァイオリン、もしくはフルートを購入し、大学時代に練習を重ね、それらを各地の老人ホームなどで聞かせることができるようになればどんなにいいだろうと思う次第である。

第三のプランとしては、海の生態系についていろいろ知ってみたいという思いもあるので、そのために1,000万円を投資し続けるというものである。

大学生活の12年を通して海の生態系について読書を通して知れる限りを知り尽くし、34年になったところでスキューバダイヴィングに必要な道具を全て揃え、大学の長期休業を利用してダイヴィングに必要な訓練を受け、沖縄の海をくまなく見てまわることによって沖縄の海の生態系を自分の目で観察し、さまざまなことを新たに学び、海洋汚染と海の生態系との関わりなどについて調べ、さらに生態系について深く研究している専門家と直接話しをすることによってより専門的な知識を身に付ける。そして、その知識をフルに活用することによって海の生態に関しての本を自費出版することが出来ればとても面白いだろうし、自分のためにもなるのではないかと思われる。よって1,000万円が許す限り、海を知る活動へ投資していくであろう。

第四のプランは、1,000万円で出来る限りの天体観測をすることである。

なるべく人工の明かりの少ない近場に小さな観測所を建設し、そこに高価ではあるが優れた機能を持つ天体望遠鏡を設置し、気がすむまで星を観察し、出来るだけ一般の人々にも開放していくことが出来れば、このプランもまた面白そうである。

実際に自分が1,000万円を手にした場合は確実に貯金しようとするであろうが、絶対に自分に投資しなければならないのであれば、これらのようなことに使いたいと考えるであろう。

 

 

 

 

長谷川 桂子

2006/05/10

 

 わたしは1,000万円をジャイアントパンダの保護に役立てたいと思う。

 1,000万円をどう自分に投資するかという問いはなかなか難しい。自分の欲望のためだけに使うには多すぎるし、人のため社会のために使うには少なすぎるからだ。しかしせっかく1,000万もの大金を自由に使えるのなら、刹那的、享楽的に使うのではなく、充実感があり中身の濃いものにしたい。1,000万円による物質的充足は他者に譲り、精神的充足の方を得たいと思う。精神的充足とは他者に物を与えていることから得られる優越感のことではなく、世の中の役割の一端を自分が担っているという充実感のことである。世の中に1,000万円投資するということは結果として自分に投資するのと同じなのである。次になぜジャイアントパンダかという問題だが、WWF(世界自然保護基金)のシンボルマークとして使われているようにジャイアントパンダは絶滅危惧種の象徴的存在である。4,50年前から話題になっているものの依然としてジャイアントパンダの未来は明るくはない。2005年現在において野生のジャイアントパンダは約1,590頭と観測されている。500頭以下になると遺伝子の多様性が急速に失われ、絶滅の危機が一気に高まるといわれている。またジャイアントパンダは約800万年前から地球上に生息していたことが確認されており、自然界に現在でも生存する数少ない早期生物である。そのため、自然界及び生物の進化の過程を研究することにおいて高い科学研究価値もあるのだ。個人的にジャイアントパンダが好きということも含めて以上のことから1,000万円をジャイアントパンダの保護に投資したいと思う。

 さて、1,000万円をどのようにジャイアントパンダに投資するかである。なにかひとつプロジェクトを起こすとなると(「パンダとその生息地保護プログラム」のような)何億円という資金が必要になる。そこでそのようなプロジェクトの微力ながらも手助けになればと資金提供を考えたところ成都パンダ繁育研究基金会というものがある。パンダ保護研究に資金を提供する非営利の独立法人団体である。基金会はパンダ遷地繁殖、科学研究、国内外の協力と友好交流などの方面で大いに活用されており、現在の成都パンダ博物館も基金会の援助で建てられた。しかし、そのような団体にお金を募金すればジャイアントパンダの保護にはつながるがお金を募金した時点でわたしの役目は終わってしまう。つまり結局わたしのしたことは募金箱にお金を投入したことだけになってしまうのである。ほかの活用法を探すにあたって興味深いものを見つけた。中国最大規模を誇るジャイアントパンダ保護センターに臥龍(ウーロン)パンダ自然保護区というものある。野生パンダの主な生息地である四川省西部に位置している。そこでパンダの里親制度というのが行われている。ある特定のパンダの里親になるとそのパンダの命名権が与えられるかわりにそのパンダの養育費の一部を担うというものである。里親から集められた養育費は以下のものに使われる。@ジャイアントパンダの飼育費、管理費、医療費等の不足の補助 Aジャイアントパンダの科学研究費用の出費支援 Bジャイアントパンダの資料や広報の費用 。1頭あたり1年間なら約62千円、終身であれば約465万円である。自分が里親になったジャイアントパンダに年に何回か会うことができるということから、寄付したお金がしっかり活用されていることが実感でき、募金のようにお金だけ渡してあとは人任せという断絶感は少なくなると思う。ただ、里親になったジャイアントパンダは施設で飼育されているうえ直接飼育、研究に携わらないため、里親にとってジャイアントパンダが大きなペットのような存在になってしまう懸念がある。そこで里親になったひとのためにジャイアントパンダの現状や生態に関する講習を開いたり、場所が不便なので年に数回程度ボランティアとして飼育、清掃を任せたりすれば野生動物の保護のために飼育しているのだという自覚につながると思う。お金が余れば、ジャイアントパンダの主食である竹の植林をすすめたい。植林する地域にない、または少ない種類の竹を増やす必要がある。なぜならば70年代半ばに竹の一斉開花がおこり大量のジャイアントパンダが飢え死にした経緯があるからだ。竹は開花するとその後10年は再生しないため、年中竹しか食べないジャイアントパンダにとって竹の開花は致命的なのである。そのため異種の竹を植えて開花をずらす必要がある。

 以上のことからわたしは1,000万円をどのように自分に投資するかという問いに対して、ジャイアントパンダの保護として里親になる資金を中心に1,000万円を投資したいと思う。1,000万円じたいは2頭の終身里親程度でなくなってしまうが、1年間なり、自然に帰るまでなり最後まで面倒をみることができるということは1,000万円以上の価値があることは間違いないと思う。

 

 

 

 

「大学時代に追加で1,000万円を自分に投資することができれば、どのようにその資金を利用するか」

2006/07/24

文学部 生田 憲

 

1.使途の分類

お金の使いみちは千差万別であるが、ここでは便宜上3つに分類する。

1)消費 

2)投資

3)自分自身への投資

4)留保

 

3)は本来(2)に含まれるが、(2)が資産の転換であるのに対して、(3)は留学をはじめとしたスキルアップを指し、別の資産との交換が不可能であるという点を考慮して別扱いとした。

 

2.幸福か利殖か

我々はお金を即座にモノ・サービスに転換することもできるし、お金を元手にお金を増やすことも可能だ。ここでは、1であげた分類にしたがって、投資の使途と幸福度・生産性について考察する。

まず(1)だが、短期的な幸福度は高い。4年間で使うとして日割りを計算すると、16715円使えることになる。16000円余を散在する大学生はかなりリッチなキャンパスライフを送ることができよう。

しかし、消費してしまったものは残らない。ここでいう消費は定義より自分を高めるような要素をことごとく捨象しているのだから、何も残らない。

次に(2)だが、株や不動産に資産をおきかえる、あるいは投資ファンドに投資するといったケースである。

このアプローチの短期的な幸福度は低いといえよう。稀にパチスロ感覚で株価の上下を楽しむひとがいるが、それは奇特な事例である。実際には、リスクを踏まえて管理しなければいけない苦労が増えるだけ、というのが多数派である。少なくとも私はそこに幸福感を見出せない。

しかし、うまく運用できれば生産性は高い。株の売買で億を目指してもよいし、投資信託でも3年で300400万ぐらいの利益はでる。

 

つづいて(3)である。

1

2

まず、生涯賃金について厚生労働省の行う「賃金構造基本統計調査からの賃金データ」[1]

をみると図1に示すように学歴別の平均賃金が「高卒で2億2224万円、高専・短大卒で2億3335万円、大卒で2億9172万円」である。高卒と大卒の賃金格差は69,280,000円である。

これに対し、企業規模による差は図2に示すように、「大卒男子の場合、従業員1000人以上の企業が3億2755万円であるのに対して、同100999人規模の企業が2億8160万円、同1099人規模の企業では2億3029万円」とある。従業員1000人超の会社の賃金と100人未満の企業の賃金との差は97,260,000円である。

このことから、学歴よりも企業規模の差が生涯賃金を左右している要因があることがわかる。

学歴の効果が薄いとなれば、学生のうちにできるだけ多くのskillを身につけて大企業、端的には東証一部上場企業に入らなければいけない。その点で(3)を使途とするのは有効であろう。「英語の出来不出来で男性二割、女性四割の格差がつくと」[2]いう時代だ。能力をつけておいて損はない。また、専門職大学院への進学という手段もある。

幸福度は短期的には低いだろう。論語よろしく、時に学びてこれを習う楽しみも確かにわかるが、消費や投資よりも多くの苦労を必要とすることは明白だ。

 

最後に(4)だ。未来の自分のためにとっておくこともできる。1000万円はペイオフの保護を受けられる。しかし、金融をめぐる動きは新たな局面を迎えている。つい先日も、ゼロ金利が解除された。今後、もしインフレが起きたならば資産が目減りしてしまう可能性がある。

 

3.自己投資

 以上の考察をふまえて私がどのような選択をするか。

1)はとらない。若いうちに遊びすぎ、あまりにもわが世の春を謳歌すると老いが早くなる気がするからだ。

たとえば、15歳でアイドルとしての絶頂を迎えた芸能人が、だんだんと落ち目になり20歳で過去の自分を回顧しているという状況を仮定すれば、彼女は20代にして精神的に老いているといえないだろうか。

2)は投資に興味がないのでしない。リスクも高い。

基本は(3)である。しかし(4)の「留保」も選ぶ。

 かつて、就職氷河期といわれた時代、企業は従来のような社員教育を施す余裕がなくなり、新卒採用では総合力から即戦力へと焦点が移動するのだといわれていた。こうした状況がいまも変化していないのならば(3)への投資を惜しむわけにはいかない。

人気企業の採用担当者のインタビュー[3]によると、「何かひとつのことに夢中になった経験」(松下電器産業)「どんな変化に対しても柔軟に対応でき、常に自分を高めようと努力できる人(トヨタ自動車)」と意外にも素朴な答えが多い。

TOEIC 800over」だとか、あからさまなことは言っていない。このような誰もが狙う人気企業では外国語やITのスキルを持つことは当たり前であって、その上で自分オリジナルの経験や、柔軟性や向上心など「お金では買えないスキル」が求められているのではないか。

 すこし、話が横道にそれたが、私の言いたいことはスキルアップに金を惜しまないことは重要であるが、そこに1000万円もの大金をかける必要はないということだ。

むしろ、インターンシップへの参加、NPOを立ち上げての公益活動など実際に社会にでてみることが重要ではないか。同質的な学生ばかりのキャンパスを離れて視野を広げ、壁の前で挫折し、成功体験もして、自らのビジョンを形成することが必要だと思う。

そうやって「自分ブランド」をつくっていけたらいい。

個人的なことの記述を許してもらえれば、今、私は読売新聞で記事を書いている。これからどんな経験をするのか楽しみなのだが、就職活動では有利な材料として使えると確信している。また、普通に学生をやっていたら絶対に会わないであろう人に取材できることもよい。多くの人の人生観や体験を拝聴するのはキャリア・デザインに有用だと思う。しかも、この活動にお金はかからない。むしろ原稿料をもらっている。

3)への投資額は200万円程度に限られるだろう。年間50万円もあれば十分本は買える。サマースクールも1度はいけるだろうし、映画、音楽といった教養も充実する。

 

4.これからの個人と企業

さて、(3)を控えるとして、残りをどうして(4)に使うのか。ここではこれからの「個人と企業の関係」を考えたい。

終身雇用制度の崩壊を前述したが、両者の関係は時代とともに変化している。企業も変化し、また個人も変化している。

企業側の変化は、バブル経済以後、激しい市場競争にさらされているということだ。旧来の横並び体質からの脱却し、終身雇用や年功序列を廃しコストを抑制している。

個人は、地位や報酬の「物質的充足」よりもキャリア形成ややりがいといった「精神的な充足」を重視するようになっている。

これらの変化は、企業を運命共同体的な一蓮托生の組織から、お互いに選びあう関係へと脱皮させているのである。つまり、簡単にリストラされる危険もあり、簡単に転職する自由も与えられるようになってきているということだ。

だから、むしろ個人のスキルアップに対する投資(もちろん、それは実務的なことについてである)は社会人になってからこそ必要ではないだろうか。

たしかに、将来のために留保していくのは解雇された場合の虎の子という側面もある。しかし、それだけでなくて、例えば社会人としてキャリアアップしていくなかでちょっと進路を変更したくなった、あるいは、自分の方向性が100%見定まったというときに大学院で勉強しなおしたり留学したりできるようにするための資金として有用ではないか。たとえば大前研一氏の「ビジネス・ブレークスルー大学院大学」で通信制のMBAコースを、働きながら最長5年かけてじっくり学ぶと授業料が600万円だ。留学となると800万では厳しいが、働きながら日本の大学院に通うなら十分な金額である。

 

5.総括

1000万円は自分自身に投資する。しかし、実際に投資するのはそのうちの200万円で残りの800万円は銀行預金で留保する。現在の自分に投資するよりも、社会人として何年か活躍し自分の方向性や可能性、そして限界を知ったあとで投資する方が、効果が高いからである。

(本文 2962字)

 

<引用文献>

All about Japan 転職のノウハウ 賃金データから考える転職」

http://allabout.co.jp/career/careerknowhow/closeup/CU20041019A/

「毎日就職ナビ 人気企業人事インタビュー 採用のホンネ」

 http://job.mycom.co.jp/07/pc/visitor/2007conts/honne/

<参考文献>「MBA&プロフェッショナルスクール」

http://mba.nikkei.co.jp/

 

 

 

 

アメリカへの留学

2006510日 渡邉千織

 

 このレポートでは、自分の大学生活を充実させる為に、1千万円をどのように使うのかということについて議論する。私の場合、1千万円をアメリカの4年制大学へ留学することに使うが、その理由はアメリカに関心があり、音楽を学術的に学んでみたいという願望があったからである。そこで、留学するにはどのような手続きが必要なのか、費用はどれくらいかかるのか、などを調査するため、図書館へ行って複数の留学に関する資料にあたってみた。その結果、私の場合は自動車代、医療費などの臨時出費を除いて約9467700円という計算になった。これだけの出費をしてアメリカへ留学するわけだが、アメリカの大学は膨大な量のレポートが出され、さらに英語が得意でないというハンデを背負っての勉強であるので、卒業するのはかなりの努力を要するとおもわれる。しかし、人生にとって大きな飛躍があることを期待して、希望を胸に抱いて頑張りたい。

 ここからは、私が大学生活に1千万円を投資するならば、アメリカのuniversity of California at Berkeley という4年制大学へ留学し、そこで音楽について本格的に学ぶという夢の実現を、滞在費用や入学試験、授業料などを具体的に示しながら展開する。私は以前からアメリカと音楽に興味があったので、留学は私にとって切実な夢であった。この大学を選んだ理由は、@才能に溢れた学者や芸術家が数多く集まっている。A穏やかな気候に恵まれ、雨量も少ない地域に属している。B15人ものノーベル賞を輩出した名門校である。C映画の舞台にもなっている。ということである。留学についての調査は主に図書館で行い、大学についての詳細はインターネットでホームページにアクセスした。

 実際図書館には留学に関する資料がいくつかあり、私が行きたい大学にかかる年間の授業料やアパート代、手続きの方法や保険、TOEFLのことなどのことが詳しく判明したが、まずは準備の手順について説明しておく。準備の手順については日本準備型とアメリカ準備型があるが、私の場合は日本で手続きを踏むことになりそうなので、前者だけ以下に触れる。

 

            日本準備型ケーススタディ

step1 留学に関する情報収集開始

step2 休学について教授と相談

step3 願書を請求する

step4 願書が届かない場合、催促の手紙を出す

step5  TOEFLを受験する

step6 願書を提出する

step7 合格通知が届く

step8 パスポート取得、学生ビザ申請

step9 渡航準備開始

step10日本出発

step11留学生活スタート

 

このような流れになるのだが、注意したいのはstep3の際は、直接大学に手紙を書いて請求することも可能だが、日本教育委員会の大学インフォメーション部の入学願書請求用紙を利用する方が少し容易になる。そして、願書が届いたら必要書類と一緒にまとめて送付しなければならない。必要書類は、@高校の成績証明書 A卒業証明書 B健康診断書 C財政能力証明書 D推薦状 Eエッセー・履歴書 F補足書類 G申請料 H入寮申込書請求書である。もちろんこれらすべて英語でなければならない。Bは小さな診療所では不可能な場合があるので注意しなければならない。Cは各大学に所定の用紙がある場合が多いが、無い場合は留学費用の負担者が、本人との続柄、自分の職業、勤務先、年収と負担額を記入し、銀行や郵便局の預金残高証明書と一緒に提出しなければならない。この財政能力証明書は学生ビザ申請の際にも必要である。Dは教師などが書いたもので、志願者の能力、意欲、性格などを公正かつ具体的に表現しているものがのぞましい。Eは一種の自己紹介文のようなもので、志望動機、生い立ち、希望専攻、将来の夢などを書く。Fは学校が要求する書類の他に、自分をPRするために提出するもので、趣味の作品や賞状などの写真を入れる。Hは外国為替業務を行っている銀行で送金小切手を作ってもらう。金額は2050ドルである。この願書の提出は、遅くとも6ヶ月以内に終えていなければならない。合格通知が届くまで2、3ヶ月はかかるからである。

願書を提出し、無事合格通知が届いたら、宿泊先を手配しなければならない。私はできればアパートに住みたいが、その手続きは現地に行かなければできないので、まず寮に住み、アメリカ暮らしに慣れてきた頃の2,3ヶ月後あたりに適当な物件を探すつもりである。入寮希望手続きは、願書提出の際に申し込んだ書類に必要事項を記入する。この寮生活は、個人の自由はある程度制約されるが、友人ができる、勉強の相談ができる、安全であるという点で望ましい。

 次はパスポートの申請である。パスポートは以前に比べて手続きが簡素化され、容易になった。パスポートを手に入れるには、自分の住民票がある都道府県庁の旅券課、旅券事務所で発行するが、次の提出書類が必要である。1、一般旅券発給申請書(旅券事務所にある)2、戸籍謄本(発行後6ヶ月以内)3、住民票(発行後6ヶ月以内、本籍が入ったもの)4、写真(6ヶ月以内、4,5cm×3,5cm、上半身、モノクロ・カラー両方可)5、身元確認書類(コピーは不可)6、官製はがき(申請者の氏名、住民票の住所、郵便番号を宛名書きしたもの)

 パスポートの申請が終わったら、次は学生ビザの手続きをしなければならない。ビザとは渡航先の在日公館が発行する入国許可のための証明印である。学生ビザの有効期限は5年で、この期間内の出入国ならば回数に制限をつけられないのがふつうである。ビザの申請は、入学を指定された日の3ヶ月前から受け付ける。申請には、アメリカの大学が発行した正式な入学許可証が必要である。その他次の書類が必要である。1、ビザ申請書(アメリカ大使館、領事館で入手できる)2、パスポート3、写真(3,7cm×3,7cm、裏に英文で署名する)4、財政能力証明書5、英語能力試験の結果(TOEFLなどのスコア)

 ここまで手続きを終えたら、次は外貨購入・トラベラーズチェックを行う。外国為替公認銀行、旅行会社、空港などで留学費用を両替することになるのだが、現金にかえるのは現地で銀行口座を開くまでに必要な最低額にとどめるのが安全で、大半は旅行小切手、つまりトラベラーズチェックにしておくほうがよい。経費はとりあえず現金で500ドル、トラベラーズチェックで2000ドル程度持って行けば足りるであろう。

 そして、クレジットカードも作っておいた方がよい。というのも、アメリカでは支払いのほとんどをクレジットカードで済ますのが普通で、クレジットカード以外ではサービスを受けられない場合があるからである。しかし、収入の無い学生は作ることができない。したがって、親が支払いを保証する家族カードを使うことになるが、連帯保証人がいる場合に、学生本人が作れるカードもある。海外で利用価値の高いクレジットカードとしては、VISA、マスターカード、アメックスなどがある。

 一通り手続きを終えたら、渡航準備開始である。現地に着いたら、オリエンテーションが始まるまでの間の2,3週間に、保険加入や運転免許証の取得などをしなければならない。特に保険は、アメリカのように医療費や賠償が非常に高額な国では必ず加入すべきである。自動車についても、アメリカには日本のようにコンビニのようなお店が歩ける距離には無いので必要である。まず、保険の加入法だが、現地の大学の留学生課に行って申し込み書類をもらい、必要事項を記入して料金を支払えば完了である。金額はおよそ100ドル〜150ドルである。ただし、この保険は大きな手術の場合には適用されない。自動車免許の取り方は、@日本で取得した免許を所持している場合と、Aアメリカで初めて免許を取得する場合に分けられるが、@はペーパーテストを受ければアメリカの免許証を入手することができる。私の場合、すでに日本で免許を取得しているはずなので、@のケースにあたる。これらの準備を終えたら、その他教科書や日用品など、細々とした物品を揃える。

 オリエンテーション開始。いよいよ留学生生活のスタート。私の勉強の目的は、音楽が自然、人間にとってどのような位置づけとされているのか、音楽は人々にとってどのような力をもたらすのか、などといったことを研究し、自分なりの答えをここで見つけることであり、今年からこれとまさに一致した科目が始まるので、私はこの大学を選んだのだ。卒業するのはかなり大変だが、英語はもちろん沢山のことを吸収して頑張っていこうと思う。さて、ここで留学費用について計算したものを下に示す。

 

         留学にかかる費用(4年制大学に4年間滞在)

  授業料           49400ドル(1年につき12350ドル)

  寮(食事代込み)      1677ドル(1年につき6710ドル、3ヶ月間滞在)

  アパート代         15750ドル(1ヶ月につき350ドル)

  交通費(寮の場合)     150ドル (1年で600ドル、3ヶ月間)

  交通費(アパートの場合)  4500ドル(1年で1200ドル)

  教科書代          4000ドル(1年で1000ドル)

  小遣い・雑費        19200ドル(1ヶ月で400ドル)

       合計       94677ドル(日本円に換算すると約9467700円)

 

計算するとおおよそこのような金額になる。これらには医療費などの臨時の出費は含まれていない。よって、1千万円から9467700円を差し引いた金額をこれにあてる。自動車は現地で質の良い中古車を自分のお金で買うつもりである。

 私の1千万円の使い道はこの通りである。しかし、この大学に合格するのはかなり難しい部類に入る。TOEFLでは550点程度をとればよいのだが、英語の苦手な私にとって、このリスニングはかなり厄介なものである。今私は6月に実施されるTOEFL対策をしているのだが、このリスニングを克服する為に、ニュース英語を聞いている。これはネイティブなどとは比較にならないほど速い。そして、ただ漠然と聞くのではなく、聞いた英語を紙にできるだけ書き取り、その後シャドウィングを行っている。この成果は6月にはっきりするので、それまで頑張って500点以上は取りたい。

 一般にアメリカの大学は卒業するのが難しいといわれる。確かにその通りで、毎週膨大な量のレポートや読書が要求されるようだ。しかも英語というハンディキャップを負った日本人である私にとって、卒業はかなりの努力と根気が必要になるのは確かである。しかし、自分を成長させるため、アメリカの人々と交わるため、音楽を学ぶため、視野を広くするため、英語を学ぶため、大学生活を充実させるために、私は希望を胸に抱いて頑張らなければならない。

 

 以上が私の主張であるのだが、ここからは今回のレポートに関する反省を述べていきたい。さきほど読み直してみたが、文章がわかりにくく、言い回しがくどくなっていることがわかった。私は文学部に属しているのだが、実はあまり文章を書くことが得意ではない。他人に読んでもらうということを常に考えて、分かりやすい文章がかけるよう、本を読み、日記を書くなどの訓練を日頃から行なっていきたいと思う。そして、留学の手続き方法にかなりの文字数を費やしたわけだが、これが原因で結局何を主張したいのかが伝わりにくくなっているのではないかと思われる。まるで留学案内書のようになってしまったのは深く反省している。さらに、留学にかかる諸費用を計算したわけだが、この値段は1冊の本から得た情報であり、調査の際にはもっと広く資料にあたるべきだったと後悔している。そして、留学生活ではアパートを借りるつもりであるが、少し贅沢に資金を使いすぎているのかもしれない。上記で寮生活の利点をいくつか述べたのに、結局はアパートで1人暮らしを望むのは論理に矛盾が生じている。レポートを書くのはこれが初めてなので、今回の反省点を生かしてもっと頑張っていきたい。

 

参考文献:1、日本大百科全書(小学館)2、TOEFLなしのアメリカ留学 九鬼博(三修社)3、アメリカ留学成功の秘訣 西山和夫(三修社)4、あなたもアメリカの大学で学んでみたら 生田哲(産能大学出版)5、TOEFLの留学 小川富二 (荒竹出版)6、不安なアメリカ留学 松井道男、松原裕子(第三書館)

 

 

 

 

人文科学入門

「大学時代に追加で1000万円を自分に投資することができれば、どのように資金を利用するか」

山田今日子 200655

 

突然ではあるが、私は何の目的も無しに文学部に入った。というよりは、何の目的も理由も無く北大に入学してしまった。入学してからというもの、これから始まる4年間をいったいどのように過ごすべきか、ひたすら考えた。私は勉強するために大学進学を決意した。今から私が北大でやるべきことは、自分にとって「一生続く勉強」を探すことである。いつそれが見つかるかは見当もつかないし、もしかしたら在学中にはそれに巡り会えず、社会の荒波に揉まれて初めて見つかるかも知れない。いつになったら答えが出るか分からない。しかし、頭で考え、手をこまねいているだけでは、時間は矢のごとく虚しく過ぎ行くばかりである。

今回のレポートの課題は「大学時代に追加で1000万円を自分に投資することができればどのように資金を利用するか」である。しかし1000万円と聞いても正直なところ、それだけの額でいったい何ができるのか見当がつかなかった。なので、今の私がしたいことを考えてみた。「大学に入ってやりたいこと」それは大きく分けて二つある。

まず一つ目は、さまざまな分野の本を汚しながら読むこと。

自分の興味のある哲学、倫理学などはもちろん、心理学や経済学、法学や教育学といった今までの高校の授業で触れ得なかった分野も勉強したい。もともと理系の分野も好きで文理選択に迷っていたので、正直、できることなら高校の理系科目も勉強して医学的な分野へも足を踏み入れてみたい。ここでいう「汚しながら」というのは、借り物ではなく自分の本として好きなように読むことである。(この作業が1000万という金額に見合うか否かは分からないが。)さまざまな分野の本を汚しながら読み、その中から自分がやりたいこと(あるいは、それに繋がること)を、断片的にでもかまわないから、見つけたい。

そして二つ目は海外への留学である。「ネイティブに囲まれた生活を送ることで、外国語の紙の上だけでは掴めない独特のニュアンスや使い方、また個々のフレーズに関してこめられた感情を肌で実感し、現地で得られた経験を通して異文化理解につなげる」というのが主な目的である。しかし、これには一つ大きな前提条件がある。日本で得られる知識を吸収してから日本を出る、ということである。

日本で得られる知識というのは、外国語の文献や専門書を熱心に読み、自分の中に蓄えられたものだけではない。自分の母国である日本の文化に対する十分な理解などもそれに含まれる。日本で育ったからといって、我々の自国の文化に対する知識や理解は意外にも乏しく、貧弱である。そのような状態で、果たして異国とのさまざまな意味での差異を見出し、比較し、客観視することが可能であろうか。日本が占める世界での位置づけや国内の社会情勢はもちろん、文献や絵画などの古典的なものに隠された、現代にも通じる日本人特有の人生観など、日本でしか得られないことは沢山あるだろう。少し広範囲すぎる感じもするが、何も日本のことを理解しないまま海外に発つのでは、それに費やす資金と時間の無駄である。

私が思いつく限りでは、1000万円を投資して上の二つを達成することである。さて、ここまででこのレポートの趣旨は完結したが、1000万という金額とは別の次元で大きな問題が一つある。それは時間の問題である。少し本題から逸れる気もするが、これからの学生生活における大まかな指針となるテーマなので、しっかり考えてみようと思う。

仮に1000万円で上記のことが可能だとしよう。しかし、どう考えても希望している全てのことに手を出そうとすると、かなりタイトなスケジュールが必要な気がする。理系科目への挑戦を抜きにしても、やはりこれほどまでに多岐にわたる分野を網羅するのは至難の業といえよう。また、留学のほうも同時進行で考えると、こちらは大学4年間を知識の下地作りに費やす必要がありそうだ。いざ留学!という時期は、早くても大学院生になってからが良いと思うし、実際に留学の機会が自分に訪れたら、準備には手を抜きたくない。やはり、それなりに多忙な日々を送ることになりそうだ。

さて、これから本格的に大学生活が始まる。いや、もうすでに始まっている。ここまで書いてみて初めて、自分の進むべき道を模索できる時間(少なくとも大学生として与えられた猶予期間)は、短いと実感した。同じ4年間を過ごすのであれば、やはり内面的に充実した時間を過ごしたい。さまざまな分野に触れ、自分とは違う生き方の人々に出会い、視野の広い人間になりたい。4年後に後悔せずに北大を卒業できるよう、今というこの時を大切にしたいと思う。1000万円は今手元に無いけれど、将来の指針を見つけるために、今できることをしよう。

 

 

 

 

桜井 香澄

提出日 726

 

大学時代に追加で1000万円自分に投資できるとしたら、私は作曲家、特に映画やテレビ番組の挿入曲を作る作曲家になる夢を実現するために使いたい。作曲家といえば、岩代太郎や城之内ミサのように音大を卒業した人がほとんどだ。しかし私のように音大に行っていない人でも時間とお金のかけ方、そして努力次第では作曲家になることが可能ではないだろうか。

 私は小さい頃からピアノを習っていたが、地元帯広の音楽教室で習っていたため東京はもちろん海外でレッスンを受けることなど想像もつかなかった。むろんそのようなことができる境遇でもなかったのだが。しかし、ある女の子の公開レッスンを見に行った時に、海外でレッスンを受けられる人がいるということを知ったのだ。その子はたったの8歳にして海外レッスンを受けたりミニコンサートを開いたりしていたである。また帯広には有名なピアニストが来る機会もめったにない。札幌や東京などの都会では簡単に有名演奏家のコンサートに行くことができるが、田舎に住んでいると都会に行くだけでお金がかかってしまうのが現実である。実際、私は今年札幌に引っ越してきてみて、キタラホールに簡単に行き帯広では聴くことのできなかったPMFのコンサートを聴きに行くことができ、そのことを改めて実感した。しかし、仮に自分が1000万円持っていれば東京でレッスンを受け、数多くのコンサートに行き、沢山の音楽を聴いたり色々な映像を見たり、海外にも行って勉強をする、といった生活が可能になるはずだ。

作曲家になるために、まず手始めとして、ピアノがもっと上手になる必要がある。そして作曲の先生に曲作りを指導してもらいたい。そのためのレッスン料を計算してみた。ピアノレッスン、作曲指導共に月2万円はかかるので4年間習うと約200万円かかることになる。さらに月1回は東京の有名な作曲家の先生にレッスンを受けに行きたい。そのためのレッスン料や交通・宿泊費等で17万円、4年間で約300万円かかる。

 レッスンを受ける以外にも、映画やテレビ番組を見て挿入曲の研究をし、CDやコンサートで音楽を聴き、自然の美しい場所へ行ったり美術館へ足を運んだりして自分の感性を磨きたい。

CD13000円。1ヶ月1枚買うとして4年間で約50枚。3000×5015万円。

DVD14000円。同じく1ヶ月1枚買うとして4年間で4000×5020万円。

映画は11300円。同じく1ヶ月1本見るとして4年間で1300×5065千円。

音楽のコンサート17000円として4年間で10回。7000×107万円。

美術館11000円として同じく4年間で10回。1000×101万円。

レッスン料以外に約50万かける。

 残りの450万円を使って音楽留学をしたい。場所は「音楽の都」ウィーンだ。ウィーンは数多くの有名な作曲家が活躍した場所だ。その作曲家達とは、古典派ではハイドン、モーツァルト、ロマン派ではベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、マーラー等である。またウィーンには大きな劇場やコンサートホールが街の至る所にあり、各劇場それぞれがトップレベルの楽団を有している。世界各国から一流のソリストがやってきて客演し、レベルの高い演目が繰り広げられるのが毎日なのだ。さらに「ウィーンの森」にはベートーヴェンゆかりの地ハイリゲンシュタットがある。そんな魅力的な街なので、音楽を勉強するには是非ウィーンに留学したいのだ。

具体的には約350万円を使って、半年オーストリアのウィーンで語学を学びながら音楽の勉強をする。

音楽学校      100万円

語学学校      50万円

ホームステイ費用  80万円

航空券代(往復)  20万円

生活費       80万円

予備費       20万円 

 残りの100万円でイタリアやドイツ等周辺の国を1ヶ月位かけて行って、本場の芸術に触れたい。イタリアでは特にヴェネツィアを訪れたい。ヴェネツィアは世界屈指の芸術の町だ。市内の95の教会と20の美術館には素晴らしい絵画や彫刻が溢れていて、町そのものが芸術作品であるそうだ。そんな素晴らしい町なら自分の目で是非一度見てみたいものだ。またオペラはヴェネツィア・ローマを中心に栄え、「椿姫」は特に良く知られている。「四季」で有名なヴィヴァルディもヴェネツィアの出身だ。

 ドイツにも多くの美術館や博物館、教会があり、色々と行ってみたい所がある。「ブレーメンの音楽隊」で有名なブレーメン。バッハがオルガンを聴きに通いつめたという教会のあるリューベック。ゲーテやモーツァルトも感嘆したと伝えられているレーゲンスブルク。そのような音楽に縁のある土地を訪れて作曲家についての理解を深め、美しい自然に触れ合うことで曲作りに欠かせない想像力が養われれば良いと思う。

 1000万円を自分に投資して、もしこのようなことが実現したら、映画やテレビ番組の曲を作ってプロの作曲家として活躍できるかもしれない。しかし、例えプロの作曲家になっても映画の売れ行きやテレビ番組の視聴率によって曲の売れ方が変わってくる。また、映画やテレビ番組の人気が爆発的であったとしても、その挿入曲が売れるとは限らない。つまり、その映画や番組自体を気に入っても曲を気に入らない視聴者もいるだろうし、例え曲を気に入っても実際にCDを買うほど好きになるかどうかはわからないからだ。作曲家という職業は、仕事にするには厳しい世界だが、才能と努力とチャンス次第では偉大な作曲家になることが可能である。1000万円あればチャンスは広がるので、作曲家として活躍できる可能性も広がる。したがって、作曲家という職業は、収入が全く無いこともあるだろうが、曲が売れれば1000万円を投資した甲斐があったと言えるだろう。

 

 

 

 

大学時代に追加で1,000万円を自分に投資することができれば、

どのようにその資金を利用するか

教育学部  武田美帆

日付:2006/05/10  

 

 大学時代に追加で1000万円を自分に投資することができたら、私の考える使い道は全部で五通りある。

まず一つ目の使い道は、国内を旅行することである。私は北海道で生まれ、北海道で育ち、そして今も北海道で生活している。この北海道を出た機会といえば学校行事である修学旅行のときだけである。中学校時代は6月に青森の弘前城や秋田の十和田湖などを見てまわり、高校時代は10月に奈良の大仏殿や京都の清水寺などの寺院や、大阪の道頓堀などを散策した。あの頃の自分にとってはすごいものを見てきたという感動があり、今では楽しかった思い出として、自分の中にしまってある。しかし、そのときは単に学校によって制限された枠の中で、クラス単位や班単位で決められたコースをまわってきただけであった。まだまだ見てまわりたいところはたくさんあり、その上見てきたものはその土地のほんの一部の姿でしかない。それに加えて思うことは、せっかく旅行に行くなら、青森には、ねぶた祭りの季節に、京都には桜か紅葉の季節、あるいは祇園祭などのお祭りの時期にいってみたかったということだ。このように心残りのある場所にもう一度行って、自分の見たいものを好きなように見てきたい。もちろん一度行った場所だけでなく、現在住んでいる北海道において行ったことのない土地や、九州、四国、沖縄、関東など、様々な所に行ってみたいと思う。私は日本に住んでいながら、日本について知らないことが山ほどある。日本という枠の中であっても、土地によって伝統や風習が大きく異なり、また、言葉も違ったりする。特に言葉といえば、訛りやしゃべる言葉のイントネーションの違いから、方言のような違いまで、本当に面白いものがある。そのような異なる伝統や風習、言葉などについて知らなかったことをじかに触れて、日本という国について少しでも多くのことを学びたいと思う。できるならその土地に住んで、その土地のことを深く知っていくのが一番よい。しかしそういうわけにもいかないので、できるだけ多くの場所を、できれば何かイベントの行われている時期に見てまわり、その土地の郷土料理を食べたり、伝統に触れたりして、自分の住んでいる日本という国についての発見をし、理解を深めたいと思う。

二つ目の使い道は、海外留学もしくは海外旅行をすることである。私には短期の留学、あるいは旅行を通して、日本の外の国を見て、その文化に触れてみたいという思いがずっとあった。特に行ってみたい国は、イギリスやフランスなどのヨーロッパ諸国、中国、アメリカ、オーストラリアなどである。あと、トルコでは日本人が歓迎されるという話を聞いたことがあるので、ぜひ行ってみたいと思う。日本国外の様子については、自分の目で直接見たことが何一つない。海外の様子について知っている知識はすべて、新聞や本、テレビ番組というようなメディアや他人から聞いた噂話というようなものからしか、得たものが無い。そのため、頭の中で勝手に作り上げていたことや思い込んでいたことがたくさんある。また、日本では考えられないような習慣や、本当なのか疑うような面白い行事、あるいは日本での「当たり前のこと」が通用しないなどといったこともあると、見聞きしたことがある。それらの中には真実であることも、また、真実から少しずれていることや誇張されすぎていることもあると思うので、他国の本当の姿を実際に自分の目で見て、確かめてみたい。それと同時に、他国の人が、日本または日本人のことをどう思い、どう考えているのかということについても興味があるので、触れてきて見たいと思う。

三つ目の使い道は、株をやることである。最近よく株の話が話題になっているけれども、その仕組みや取引の仕方などについて、私はほとんど理解できていない。知っていることといえば、受験時に公民で勉強した高校の参考書に載っている程度のことである。しかし、やってみたいという興味はずっとあったので、このような機会があるのなら、株についての勉強をして、一度でもいいので挑戦してみたい。そうすることで、経済についてや、世の中のお金の流れについての勉強になると思う。素人がやっても簡単にうまくいくとは思はないけれども、失敗したとしても実際に体験すること自体がまた勉強になると思うし、自分にとっての良い経験にもなると思う。もしも成功することがあれば、それをまた海外へ旅行に行く時の資金にしたい。

四つ目の使い道は、一人暮らしをしてみることだ。私は現在、自宅から大学へ通っているが、一人暮らしをしたいという願望はずっとあった。自宅生でない人たちにとって、一人暮らしは当たり前のことかもしれないが、私は家庭の経済的事情からそれができずにいる。そういうわけで、私にとって一人暮らしは憧れの対象である。自宅で生活していると、ほとんどのことを親に頼りがちであり、毎日の掃除、洗濯、食事等の日常生活のことについての心配する必要はほとんど無い。確かに今の親との同居生活の方が楽だというのははっきりとわかっている。しかし、このまま自宅にいて親に頼りきっているというのも良くないと思うし、自分自身の成長も望めないと思う。また、実際に一人暮らしをしてみることで見えてくることも多くあるという点で、最低でも一年間の一人暮らしを経験してみたいと思う。

最後に考える使い道は、多くの受けてみたかった資格試験を受けるための費用にするというものである。英検をはじめ、数検、漢検、TOEFL、ピアノ検定などの試験を受けるための勉強や、受検の費用に用いたいと思うし、また、私は幼児教育の方に非常に興味があるので、夜間の専門学校に通うか、あるいは通信教育の講座を受講することによって、幼稚園教諭や保育士等の資格取得に挑戦してみたいと思う。

この五つの使い道において考える予算の配分は次の通りである。

国内旅行   …180万円

海外留学/旅行 …340万円

株      …80万円

一人暮らし  …200万円

資格試験費用 …200万円

 以上の五通りが、私の考える、もしも大学時代に自分に1000万円を投資できるとしたときの使い道である。この五通りの使い道について、1000万円という額で、ここに描いた通りそのままの使い方ができるかどうかはわからない。しかし、大学生となってから、もしも追加で1000万円を自分に投資することができたらどんなことに使いたいか、また、自分は何に対して興味を持っていて何をやってみたいのか、ということを考えたとき、私が大学生として有意義な生活を送り、自分自身を成長させるための考えた使い道は、以上の通りである。

 

 

 

 

人文科学入門レポート

小野みなみ

7月26日再提出

 

課題:『大学時代に追加で1000万円を自分に投資することが出来れば、どのようにその資金を利用するか』

 

 第一に私の念頭に浮かんだのは、その資金をロースクール進学のための予備校費にあてることであった。近年、大学生が大学の授業よりも予備校に熱心に通うことが問題視されているが、現実問題として大学院進学、資格試験のためには受験のプロである予備校の影響力は否めないと思われる。また、北海道大学は全学教育という制度をとっているため専門科目が一年次は非常に少ない。全学教育の利点は学部に関わらない広い教養を身に付けられることであり、私自身、このような制度がなければ自主的には取らなかったと思われる科目の授業について興味をもったりもしているが、やはりもう少し専門科目を学習したいと思うし、大学入学時に最も学びたいと思っていた知的財産法の授業が四年次の後期までとれないことは実に残念である。そのようなことからも、あくまで受験に対応した内容ではあるがより専門的なことを学べる司法予備校に投資をすることは将来のためにも役に立つと思われる。先生が提案されていた、予備校講師など外部の人に授業を委託するという構想が実現すればこのような出費は免れるのかもしれないが、現実問題として国立大学においてはそのような可能性は非常に低いと思われる。某資格試験予備校において基礎講座を取るとだいたい70万から80万円くらいかかるのが一般的のようだ。さらに「大学時代に」という条件からは少し疎外されるが、この1000万円の一部を是非ともロースクールの学費にしたいとも思う。ちなみに東京の某私立大学の法学既修者の学費は二年間で373万円である。

 次に私がしてみたいと思うことは、日本国内を旅行してまわることである。現在国際化が進み、留学や外国語の習得が注目されているが、私はまず、日本人として自分の国のことについてよく知るべきであると思う。また自国の文化、語学についても同様であると思う。現在正しい日本語を使える日本人が減ってきているというのは外国語教育に力を入れ、自国語の学習を軽視した結果であると私は思っているし、本来自国の文化であるはずの茶道や、弓道などの武道、さらには着物などの民族衣装が希有なものとして見受けられるようになってしまったのも嘆かわしいことである。さらに外国に留学することによって自分を変えることができた、という人がよくいるが、私はその考え方にも疑問を覚える。環境が変わったからといって人は急に変わるわけではないし、自分を変えるのは自分自身であり、そのために海外に行くことは必ずしも必要であるとは思わない。もちろん海外に行けば今までとは違う生活になり、目新しい文化や様々な人と出会うことが出来るかもしれない。しかしそれは日本国内を回ることでも体験できるし、むしろ自国のなかで(日常的な生活のなかで)自分の存在を確かめることが出来たほうが、より自分を成長させるという意味で効果的なのではないかと思う。

 さらに大学生になった当初、たいへん苦労をしたパソコンの扱いは、現在でも私を悩ませている。今なお自分に必要であると思われるものは自分専用のパソコン(ノート型のWindows)とそれを使いこなすことの出来る技術であることには変わりない。さらに自宅のパソコンがMacであることも多大なる障害をきたしている。現在パソコンは10万円程度でも購入することが出来るが、自宅にパソコンがあるにもかかわらず新しいものを購入するのはいかがなものかと、実際には購入には至っていない。ただしレポート作成において指定された文字数、行数を指定できないことはたいへん心苦しい。最後の最後になってしまいましたが、この場でそのことをお詫びします。

 1000万という大きな金額と、『投資』という言葉から連想するに最もふさわしいと思われる構想として『校内にカフェ(あるいはジュースバー)を作る』ことを挙げたい。現在、学生(あるいは教員も含め)はペットボトルを持ち歩く傾向が強い。これは経済的であるとは言い難い。もちろん自宅からペットボトルにお茶を詰めてくるなどしている人はより経済的であると言えなくはないが、そうではなく、自分専用のタンブラーをもって歩き、校内のカフェで自分が欲しいと思った時に欲しい分だけ購入するというシステムをとってはどうだろうか。もちろんこのカフェには飲み物用の容器は置かない。さらにセルフサービスにすればコストも抑えられる。もちろん適宜清掃や飲み物の補充をする必要があるので、それは学生のアルバイトを雇う。現実問題としてアルバイトをしている学生は多いと思うが、それが学業に支障をきたしているケースも少なくはないと思われる。学校の校内で、それぞれの空きコマを利用して働けば身体的にも負担は少ないと思われるし、自分たちが利用する場所で働くことは、その仕事を、お金を稼ぎたいからという観点からだけではなく、その場所を利用する立場からも、働く立場からもよりよいものにしていこうという観点からみつめるようになり、その結果学生自身の自主性と責任感によって『校内カフェ』はすばらしい場所になると思う。さらに職業訓練の場としてもさまざまなことを提供してくれるのではないだろうかと思われる。

 1000万円というお金がもしあったとしたら、私は現在の学生生活をより充実したものにすることができるかもしれない。しかし『投資』が必ずしも『金銭を投資すること』である必要はないように思う。私が現在大学で所属している法律相談室という学部公認のサークルでは毎年夏ごろに札幌市周辺の土地に行き、無料で市民の相談にのるという活動をしている。(もちろんこの活動には旅費という実費25000円が自己負担として課せられるが。)合宿のような形で行われるらしいこの行事を、私はとても楽しみにしている。もちろん相談をするという活動内容にも興味を持っているが、なによりも北海道内を同じような志をもった部員とともに旅行をするということがなによりも有意義であるのではないかと思っているからである。高校時代と違って大学では、同じような目標や興味を持って集まってきた仲間と出会うことが出来る。もちろん様々な興味や考え方を持った他学部の友人もかけがえのないものであると思うが、互いの利害得失を考えずにともに時間を過ごせる友人が出来たことを私は今、何よりも大きな成果であると思っているし、『お金では買えない時間』を投資することが日常の中の最も有益な無償の投資であるように思う。この三ヶ月、勉強、プライベートなど様々なことに関して、そのことを大いに実感した。

 

 

 

 

大学時代に1000万円を自分に投資するならば何に使うか

法学部 古沢健泰

 

わたしが将来目指している人間像はスペシャリストではなく、さまざまな分野において活躍できるマルチな人間を目指しています。なぜならば、スペシャリストはひとつの道だけを極めていく過程において極端に偏った考え方や価値観を形成していくと考えるからである。

わたしは今18歳でまだまだ人生のスタートラインに立っただけに過ぎないのであり、人生はこれから50年、60年もしくはそれ以上に続いていくことだろう。やはり、長い人生の中で偏った考え方は自分の世界を狭くしてしまい、周りに転がっているおもしろいことに気づかないうちに人生を終えてしまうことになりかねない。

だから、そうならないように世の中にいるさまざまな価値観をもつ人々を広く受け入れる努力をして、その価値観をもとにして柔軟な発想を形成し、さまざまな経験を積んでいこうと考えている。

今まで、スペシャリストの生き方を否定してきたが、わたしは決して存在自体を否定しているわけではない。もし仮にこの世にスペシャリストが存在していなかったら、今の世の中は存在していないと考えるからだ。マルチな人間ばかりの世界は、人間的に豊かな人々は多くなるかもしれないが、文明としては現在の高度な情報社会レベルまでには発展してはいないだろう。

たとえば、パソコンを例にあげてみる。今日の情報社会にはパソコンは必要不可欠であり、高度情報化社会の象徴ともいえる。しかし、これを作り出すことができたのはマルチな人間であっただろうか。いや、そうではない。専門知識とプログラミングという専門技術があって初めて開発できたものであろう。すなわち、スペシャリストが存在していることが、今日のパソコンの必要十分条件だといっても過言ではないのである。

そのほかにも数え切れないほどの例があり、その中には、社会を支えているものが数多く存在する。それゆえに、スペシャリストは現在の社会の成因といえるのだ。

そのうえ、当人は自分の好きなことをやっているので、十分な満足感を得ているだろう。つまり、社会的にも個人的にも充実の値は大きいのだ。

このように、スペシャリストの生き方にも、かなりのアドバンテージがある。ここで再認識しておきたいのは、スペシャリストの生き方も立派なひとつの生き方であり、客観的には、決して否定できないものだということである。

ここまで、スペシャリストとの比較をしてきたが、次からは目標のために大学時代に何をするかについて述べようと思う。

端的にいってしまえば、方法は留学である。やはり、異文化交流をして自分と違う考えの人と出会うことができるからだ。文化が違えば、そこから生まれてくる思想にも違いがある。留学の大きなアドバンテージはそこにあると思っている。

さらに、留学のアドバンテージといって考えられることがもうひとつある。それは、語学である。今日のユニバーサルな世界において、国内語だけではなく、少なくとももうひとつの言語(世界的に主要な言語)が必要だと考えている。それを学ぶために、国内で語学の勉強をするよりは、生の言葉に触れたほうがよっぽど効率的なのだ。

そして、もし行き先を決めるとしたら、わたしは迷わず中国を選ぶだろう。社会主義である背景、これからの時代に必要になってくる中国語などの留学のアドバンテージもそろっている上に、著しい経済成長もとても魅力的であるからだ。さらに、わたしにとって重要な理由がもうひとつある。

それは、料理である。わたしは、食べることが大好きで、三度の飯は何よりもたいせつなことなのだ。中国には、北京料理、上海料理、広東料理、四川料理、総じて中国料理の四大系統と称されるものがある。それらは、系統ごとに違った料理であり、さまざまな特色を持っている。北京料理は、油を使った濃厚なものが多く、上海料理は、海産物使ったものが多い。広東料理は、薬味や調味料を他よりも多用し、四川料理は香辛料を多用する。これらのさまざまな味を楽しめることはとても魅力的なことなのだ。

以上の理由から、わたしにとって、中国は魅力的であり、選択することは必然なのだ。             

 それでは、具体的にどれくらいの費用がかかるのだろうか。

 現在、1元が約13円であり、食品や文房具はとても安い、例を挙げると、スイカ@玉5元、いちご1kg3元、ボールペン1元ととても安い。また、肉類も日本の10分の1である。これをもとに計算した結果、食費その他の雑費は、月4000円ぐらいになった。内分けは、食費一日100円、雑費は月500円の計算、残りのお金は、レストランなどのお店で使う分である。これだけなら、1000万円で中国に一生住むことができそうだが、そんな甘くはなかった。住居費が最低で月30万かかる。これは、外国人は、専用の住居エリアに住まなければならないからである。また、飛行気の国内便も日本の2倍ほどかかり、いろいろなところに行こうと考えている私にとっては大きな打撃である。

 上記の結果を月換算でまとめてみる。

食費:3500円(水が飲めないので、ミネラルウォーターの分も含んでいる。

雑費:500円(、

住居費:30万円

交通費:2万円(月1回は旅行に行くとする。)

娯楽費:一万円(旅行先での雑費。)

合計:約334000円

 この計算で行くと1000万円では、約30ヶ月、つまり2年半滞在することができる。大学4年間は無理である。はっきり言って、日本に住むのより高くついてしまった。

物価が安い=滞在費も安いというのは、はなはだ勘違いであった。

 しかし、2年半も滞在できれば、得るものもたくさんあるので、私の決意は変わらない。

「大学時代に自分に投資するならば、何をするか」という問題は、中国に留学するという結論に至った。この結論に至るまでに、いろいろ考えたおかげで、今の自分の考えがよりいっそう明白になった。これからも目標に向かって精進していこうと考えている。

2006年 5月7日

改訂 2006年 7月20日

 

http://www.e-huuhu.com/bukka/koutu.htm

 

 



[1] All about Japan[賃金データから考える転職]

[2] 脚注1に同じ

[3] 毎日就職ナビ 「採用担当者のホンネ」